僕が小さい頃、この人たまに見かけていた。横浜とか関内、伊勢佐木辺りの人で僕よりちょい下くらいまでなら普通に見かけていたと思う。横浜メリーさん。
多分小学生くらいか、当時の関内辺り。とりあえずおっかなかった。まず母親に『目を合わせるな』みたいな事をキツく言われた記憶がある。今考えれば別に何も怖くは無いんだけどね。見た目は怖かったけどな。
全身真っ白な人間はそれだけで異形な感じがして、当時は子供だったから余計に怖かったんじゃ無いかな。あとなんて言うか。
ムードが違うって言うか、、、大体の人ってまず仕事とか家庭とか、時間の概念があって世間や人付き合いもあって、『誰も大体の同じ様な、または想像の範疇』にあるムードがある。僕は至って普通の人間だから質問されれば答えるし、仕事の為に寝坊しないとかそうゆう常識の概念がある(多少は)。それを人に当てはめても個性はあるけどそんなに大きく変わらないと思う。
けどこの人はそういうムードが無くて。それだけだったらホームレスの方とかもそうなる訳だけど、そうでは無くて
この人この化粧でしっかり身なりを整えてって所が全然違っていて。そんで絶望感と人としての尊厳みたいな物がなんか混ぜこぜにあって。
横浜メリーさんは娼婦なんだけど、色んな都市伝説があったな、、ここじゃ書けないけどさぁ。口なりなんなりパーツ的な話とかそんなん。
どうして横浜に居続けたんだろう。調べたら岡山の方らしいし、晩年はそっちの施設に行かれたそうだけど。毎日化粧して。白い服を着て、需要も無いままに身体を売ろうと。うちの親の様に汚い物を見るような目で見る人間の方が圧倒的に多かったのに。(実際後々映画化とかされたり、本が出たりでノスタルジックな印象になってるけど、当時は大体みんな気持ち悪い扱いでしたからね。僕だってそう。)
娼婦として生きるってまずお金もだろうけど、時代も違う。どんな世界だったのだろう。大体の人はもっと憎しみや恨みとか根底に流れてるのがわかるハズなんだけど。
横浜の高島屋とかでも良く見かけてた。
横浜なら今は金魚鉢を頭に乗っけてるおじさんとかいますよ。割と見かける、最近ご無沙汰だけど、ボロボロのセーラー服のおじいちゃんもいる。有名じゃない方。本気でボロボロだから。スカート破けてっしあの人は本気で怖い。
晩年は僕もそんな風になっても良いなって思ってる。最近のトムヨークみたいな。
ああこんなにカッコよくはなれない。
若かりし頃を知ってればちょっとビックリするだろうけど、トムヨークは今の方が恐ろしい位魅力的だと思う。
美しさって若くて無知な事でも肌の質でも、子供は純粋だから綺麗とかそんな事でも無くて。後半戦から凄いものなんだと思ってる。
横浜メリーさんとか。
あの人は僕の中では美しい部類の人。